株式投資は個人で行うものというイメージを持つ方も多いと思いますが、法人口座でも投資は可能です。
法人口座の株式投資は損失の繰り越しができるため、長期的な視点で投資でき、さらに本業の利益との損益通算もできるため、企業にとってプラスとなる要素も多くあります。
しかし投資はもちろんリスクがあるので、デメリットにも注意しなければなりません。
この記事では法人口座を利用した株式投資のメリット・デメリット、注意点を解説します。
目次
法人口座で投資するメリット①利益を圧縮して節税が可能
まず大きなメリットとして法人税対策として利益を圧縮することが可能です。
株式投資を始める方の多くは、知識習得のためにセミナーへ参加したり書籍を購入したりと、初期費用がかかるものです。個人による株式投資の場合、これらの準備にかかるコストはもちろん経費として認められません。
しかし法人口座での株式投資の場合、これらの知識習得のためのコストも必要経費として計上することが可能です。株式投資にかかる経費を計上することで利益を圧縮できるため、結果として節税対策になるのです。
法人口座で投資するメリット②損益通算ができる
次のメリットとして損益通算ができる点も挙げられます。
損益通算とは、同年分の利益と損失を合算することです。個人での株式投資では、所得種類に区分が設けられているため、決まった所得でしか損益通算ができません。
しかし法人口座の場合、所得種類に区分がないため、損益通算が可能になっています。
株式投資に失敗し損失が生じた場合でも、自社事業の利益と相殺できるため、課税対象を小さくすることができるのです。
法人口座で投資するメリット③長期投資ができる
最後のメリットとして長期的な投資が可能である点があります。
法人の場合、株式投資で損失が出た際には10年繰り越すことが可能です。
もし10年間で利益が出た場合は損失と利益で相殺することができ、節税対策が可能です。
ところが個人で投資を行う場合は繰越期間が3年と7年も繰越期間に差が生まれるのです。
長期的な投資を考える場合は損失の長期繰り越しが可能な法人口座のほうがいいということができますね。
法人口座で投資するデメリット①税率が高い
デメリットも理解して投資する必要があり、一番大きな点は個人と比較して税率が高い部分です。
株式投資で得られた利益は会社から分配される配当金と、株式を売却した際に発生する譲渡益がありますが、これらの利益にそれぞれ税金がかかってしまいます。
課税率は個人口座は一律20%強ありますが、法人口座の場合は22から34%となっており、税率が高い分手元に残せる資金の割合が少なくなります。
法人口座で投資するデメリット②含み益に課税される可能性がある
含み益とは、保有する有価証券が購入時よりも値上がりしており、もし売却すれば利益が生じる状態のことを指します。
ここで重要なのは実際に利益を確定していない点です。
通常この状態では税金は発生しないのですが、「売買目的有価証券」に該当したものについては、期末に保有している有価証券の含み損益を実際の損益として加算しなければいけません。
このため、まだ売却していない状態でも将来的に利益が生じる可能性がある場合、税金を支払う必要がある場合があります。
まとめ
上記のように法人口座の株式投資ではメリットもデメリットも多く存在しているため、法人口座を使うのか個人口座を使うのか企業のスタンスによって異なってきます。
どちらが会社にとっていいのか考えて割り振りを考えるといいですね。